患者さんたちはこの頃はネットなどで学習してこられるのでノルアドレナリンが足りないとかADHDですがドーパミンを増やしたいんですなどとおっしゃる方もいます。江戸時代などでは考えられなかった概念で話しているわけです。現在では脳内物質は数十種類から100種類ほどあるといわれています。
そのなかで代表的なノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミン、などを標的に現代の精神科薬は作られています。
脳神経細胞が血中を流れるタンパク質から分解されたアミノ酸を取り込み細胞内で脳内物質を合成して使用しているわけです。
基本的にこうした化学物質や電気信号がなぜ組み合わさって我々の複雑な精神現象を引き起こすのでしょうかまったく別次元に見えます。そうです現象は次元の変換を行われているわけです。
電気信号の連続でしかないものが変換されてテレビの画像になるのと同じです。
目に見えている現象は加工されたものであり唯一無二の真実ではありません。私たちが真実と認識しているだけなのです。
こうした現象の基本には記号論があるでしょう。万能の天才である薔薇の名前の作者 ウンベルトエーコも記号論まで表しています。今の情報社会の基本であるコンピューターも基本は同じです。
我々は身体という機会の上に成り立っている意識という現象なのです。